海外移住先で日本のテレビを合法的に観る方法

私はオーストラリアに移住していますが、毎日とまではいかなくても現在のコロナの状態や日本での出来事をリアルタイムでテレビで確認したい時があります。

私たちの場合、コロナの影響で渡航まで時間がかなりあったため、念入りに準備をしてからこちらに来ました。
しかもオーストラリアの場合は入国時に2週間の強制隔離があるために時間を潰すためにも必須という状況でした。

今回は海外で日本のテレビを合法的に観る方法とNetflixやDisney Channelなどを日本のアカウントで観る方法についてご紹介したいと思います。

まずテレビの視聴についてですが、出来る限り環境が悪くて観られないことや日本側で何かしらの不具合が起こって観られないということを回避したかったため、3重のバックアップ体制にしました。

まずメインはWatchJTVというサービスです。このサービスは自分が今オーストラリアで使っているサービスの中で一番重宝しているサービスです。月額でUS10ドルがかかりますが、十分に見合ったサービスが得られます。
内容ですが、テレビのリアルタイム視聴、録画、NetflixやDisney Channelのリージョンブロック回避などが可能です。

仕組み的には実家等にデジタルテレビチューナーとテレビの信号をインターネットに流すための変換器の様なものとサーバーの役割をする端末、そして海外側に設置する子機で構成されています。

また、この端末にはVPNサーバーが搭載されており海外の自宅から例えば実家に設置されたサーバーにVPNで接続をすることで実家のLAN内にいる環境を作り出せるため、NetflixやDisney Channelなどがリージョンブロックどのような形でかけて来たとしても日本の自宅にあるものをブロックは出来ないため、安全に海外から日本のアカウントのものを視聴出来るという仕組みになっています。

海外で日本のアカウント情報でNetflixなどにログインすると、ログインは出来るため一見「あれっ、イケるんじゃない?」となるのですが、よくよく見て見ると日本の番組がほとんどなく、しかもほとんどの作品で日本語字幕だけがなぜか出てこない様になっています。意地悪だなぁとは思いますが、著作権の問題で仕方ないのは理解が出来ます。そのな時にWatchJTVのこの機能は最高なのです。日本で見ていた環境と全く同じ環境で視聴し続けることが可能だからです。

海外に長くいればホームシックになることもたまにはあるでしょう。でも日本のテレビやNetflixなどのオンデマンドを思う存分観ることが出来るとしたらホームシックは一瞬で吹っ飛んでしまいます。私なんかはおそらくなくても大丈夫なのですが、家族で移住となると奥さんがあれが観たい子供がこれを観たいと当然なると思いますので日本にいる間に準備万端にしておくのが吉です。

さて方法ですが、まず必要なものがグローバルIPアドレス(ローカル上ではなくインターネット上のアドレス)です。実家に設置予定であればその実家がインターネット上で特定出来なければならないため必要になります。これはお使いのプロバイダで申し込めば使えると思います。うちの場合は実家がケーブルテレビを使ったインターネット回線だったので少し苦労しましたが、自分の自宅で使っていたのは朝日ネットでした。

朝日ネットは固定IPアドレス(固定されたグローバルIPアドレス)が他社に比べて非常に安いため、会社でデータベースサーバーにアクセスしたり、自宅でファイルサーバーを使ったりしていたので公私共々かなりお世話になっていました。海外に移住される方で朝日ネットでない方はランニングコストも考えるとこれを機に乗り換えてしまうのもありかなと思います。

ちなみにWatchJTVに購入前に相談することを強くお勧めします。機械も日本円で10万円以上するため、買ったはいいけど環境のせいで使えないとなるとかなりがっかりの状態になります。
私が購入した際は無料でアメリカから自宅に接続をして回線の状況を確認してくれました。

購入が必要なものは下記の一式です。

・WatchJTVのテレパソ一式(特別限定スペシャル)
・デジタルテレビチューナー(対応している機種が決まっていますので先走って買わない様にしてください。)
・チューナーの配線関係(アンテナ線を分岐させて片方はこれまで使っているテレビ、もう一方はチューナーへという分配が必要になります。)
・ルーターが自宅に設置されていない場合はルーター
・海外でスマートテレビに接続する場合は不要ですが、appleTVもしくはAmazon Fire Stickが海外受信側で必要になります。
・必須ではありませんが、GL.iNet GL-AR750S-Extなどと同等のルーターを持っておくと海外側に設置する子機の日本に繋がるWifiを拡張出来ます。持ち運びも出来てかなり重宝しました。
・USBタイプのクーリングファン

これらを購入し、設置場所に設置をしていきます。機械の設置が完了したらWatchJTVのスタッフに遠隔で設定をしてもらいます。こうすることで海外に持ち出しても確実に使える様になります。注意点としてはWatchJTVはアメリカに会社があるため、サポートに連絡を送ってもすぐに返答が返ってこないです。そのため、出来る限り早朝に伝えたい内容を送っておいて朝起きたら返答が来ているという形にしておくとストレスが軽減出来ると思います。

私の場合は実家に1日だけ行けば設定は終わるだろうと1時間半かかる実家に朝到着して設定を試みましたが、なかなかスムーズに行かずストレスを感じました。最終的には設置や設定も完了し、オーストラリアで問題なく観られているので今考えれば大したことはありませんでした。

次に海外に実際に渡航してから海外の自宅のルーターからLANケーブルで子機を設定します。ここで非常に大切なことがあります。それはこの子機の放熱性が非常に悪く、時間が経ってくると動きが非常に悪くなります。そのため私の場合はオーストラリアでUSBタイプのクーリングファン(出来れば静音タイプ)を購入し、この子機の下に設置しています。こうすることで常時サクサクと動く環境にすることが出来ました。ここは多分WatchJTVも気が付いていない部分ではないかと思いますので準備されることをお勧めします。

ここまで来ればほとんどの場合、子機を繋げば問題なく動作すると思われますが、もし動作しない場合はWatchJTVに根気よく連絡して問題を解決してください。私の場合は番組のエリア設定が上手くいっていなかったため、そこだけ後から直してもらいました。

いよいよ子機が海外のインターネット回線に繋がると日本側に設置した環境に接続出来るWifiので電波が海外の自宅に開通します。このWifiに繋げば日本の設置場所にいるのと同じ環境になるため、Netflixは日本のアカウントで問題なく観られる様になります。

あと、テレビのリアルタイム視聴は少し分かりにくいのですが、まずはスマホを日本の設置場所に繋がるWifiに繋ぎます。その後にWatchJTVのホーム画面をあるIPアドレスに接続すると見られる様になります。このIPアドレスはWatchJTVに教えてもらえます。ホーム画面に接続すると番組表やリアルタイム視聴するためのリモコン画面などにアクセス出来る様になります。

ここまで確認が出来たらその後に視聴するテレビも同じ日本に繋がるWifiに接続し、スマートテレビであれば「VLC」というアプリをダウンロードして「ブラウジング」メニューのストリームからWatchJTVに指定されたアドレスをVLCの「ネットワークMRLを入力」という欄に入力すると接続出来る様になりますので押下すると海外のテレビにかなり高画質に日本のテレビがリアルタイムで観られる様になります。しかも日本で観るとのほとんど変わらない高画質でフリーズもほとんどありません。ただし、回線速度に依存するとは思います。オーストラリアの場合は少し滞在していたairbnbの回線がOptusの50Mbpsのタイプで止まることがあったため、自宅ではTelstraの100Mbpsのプランを契約したところほとんど止まることはなくなりました。

あと、録画機能ですが正直メニューが多すぎてかなり分かりづらいですが、WatchJTVの管理画面から録画予約をすると子機に自動的に動画データがダウンロードされます。この子機に出来た動画データをPLEXというアプリを使ってテレビに映すという形なります。これも少し分かりにくいですが、子機にダウンロードされたものと日本の設置場所にある元データと両方にアクセスが出来、日本の元データの方は物理的な距離があるため、フリーズしやすいです。

しかし子機にダウンロードしたものはローカルの環境にあるものなのでフリーズはほとんどしませんが、強制隔離のホテルで試した際はホテル中のトラフィックがかなり多かったせいかローカルでもフリーズを繰り返しました。自宅の光回線になってからはフリーズすることはほぼなくなりました。

とここまでかなりダラダラと書いてしまいましたが、正直あまりネットワークに詳しくない方は設定時にかなり手こずるとは思いますが、海外で快適なテレビ環境を得るためのほんの少しの手間だと考えれば頑張れると思います。

ここまでがWatchJTVというサービスを使った方法でした。

私はこれにプラスしてSlingboxというデータをサーバー等に溜めずにテレビ信号を単純にインターネット回線に流すタイプのものがありますが、これを日本の2箇所に設置しています。ただ、この溜めずに流すタイプはかなり回線速度に依存してしまうため、画質は悪くなりがちです。日本の送信側も海外の受信側もかなり高速なインターネットに接続出来ている様であれば意外にちゃんと観られます。

うちの場合は日本側、オーストラリア側両方でかなり高速にネット接続が出来ているため、最高画質で視聴してもほぼフリーズすることなく観られています。WatchJTVは録画中にリアルタイム視聴が出来なくなってしまうため、その時間だけSlingboxを使う様にしています。また、Slingboxはチャンネル切り替えや立ち上がりが早いので急いで観たい時はSlingboxを使う様にしています。

WatchJTVは少し溜めながら視聴するためフリーズは起きにくいのですが、溜める時間が35秒ほど必要なため、チャンネル切り替えがパパッとは出来ません。また、テレビを観るたびにスマホを日本接続用のWifiに接続して管理画面を表示してリアルタイム視聴のボタンを押すという手間がかかりますが、これだけ高画質で観られるので目をつぶるしかないと諦めています。

と、かなり長々ダラダラと書いてしまいましたが、もし海外で日本のテレビ視聴を完璧な状態でしたいという方がいらっしゃれば参考にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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