日本で重要な契約などの時に必要となる印鑑証明書ですが、海外在住者で海外転出届を役所に提出している場合、日本に住所がなくなり印鑑証明書も自動的に抹消となり取得出来なくなるため、日本国内で発生した相続手続きや法人登記などの際に困ります。
今回、自分に相続手続きと法人登記の二つが同時に発生して日本に一時帰国している際に印鑑証明書の提出を金融機関や司法書士に求められ困りました。色々検索をしましたが、記事がほぼ皆無だったため体験記を書き留めておきたいと思います。他の国でも手続きは大体同じだとは思いますが、主にオーストラリアに在住の方やこれから海外に転出される方のお役に立てばと思います。
まず、オーストラリアをはじめ海外では印鑑で契約するという制度自体がないことが多いと思います。日本でも最近印鑑の代わりにサインでOKという金融機関も出てきていますが、印鑑証明書の代わりにサイン証明書(正式名は「署名(および拇印)証明」)というものを日本国の在外大使館、領事館が発行してくれます。自分の場合はオーストラリアのブリスベンに在住していますのでブリスベン領事館で取得しました。
海外在住者がサイン証明書を取得するためには在留届を日本国の在外大使館や領事館に提出している必要があります。これに併せて有効なパスポートと申請書を提出することで自分が足の運んだブリスベン領事館ではその場で取得出来ました。
申請書はこんな感じの用紙です。
日本の印鑑証明書の様な証明書単体で出てくるタイプを希望している場合は「単独型」を選択しましょう。
書類ごと認証して貰わないといけない場合は添付型です。(特段指定がなければ単独型の方が使い勝手は良いと思いますが)
但し、注意が必要なのが日本の印鑑証明書の様に現住所が書かれていないこと。
自分は「サイン証明書=印鑑証明書」と完全に頭の中で理解していたため、サイン証明書のみを取得すればいいと思っていましたが、あとで住所が書かれていないことが分かり、再度領事館に行く羽目に。皆様はお気を付けください。
現住所も証明する必要がある場合は(ほとんどこのケースだと思います。)在留証明書も取得する必要があります。在留証明書の取得はオーストラリアの免許証だけでは住み始めた時期が証明出来ないため提出書類としては足りないだろうと思い、自分の場合は自宅の売買契約書とQueenland Titles Registryが発行している登記簿(Registration Confirmation Statement)を持参してこのタイミングで決済をしていて、このタイミングで登記が完了しているという旨を領事館員に説明して発行に至りました。恐らく賃貸物件にお住まいの場合は賃貸契約書、水道代などの居住開始時期が分かる明細書などでも代用出来ると思います。
これらで取得出来たサイン証明書と在留証明書が下記になります。
自分の場合は相続と日本で会社を始めるにあたり法人登記も発生したため、同じものを目的と提出先を書き換えて2通ずつ取得しました。
サイン証明書2枚と在留証明書2枚でAUD72でした。日本ではマイナンバーカードがあればコンビニで数百円も払えば24時間簡単に取れますが、海外在住だとなかなか手続きが面倒ですし、料金も結構かかりますのでもし一時的に転入してもいいという方は転入してから日本で取得するのも手かもしれません。
あと、これはオーストラリアだけなのかは不明ですが、少なくともブリスベン領事館では手数料の支払いは現金のみです。
ブリスベンで生活をしていて唯一現金しか受け付けないのが、かの日本国領事館というのも何とも悲しい現実です。
どこかの誰かのお役に立てれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。